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ヨドコウ迎賓館の敷地全体が重要文化財に指定! フランク・ロイド・ライトの傑作についても振り返ってみる

兵庫県芦屋市にあるヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)の敷地全体が、2024年5月17日に開催された文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て、重要文化財に追加指定されることが決定したそうですね。

運営人は今頃知ったのですが(汗)、興味深いニュースなので、今回はヨドコウ迎賓館のことについても振り返りながら取り上げてみたいと思います。


ヨドコウ迎賓館(運営人撮影)

[巨匠フランク・ロイド・ライトが手掛けた邸宅]

ヨドコウ迎賓館は、アメリカを代表する建築家フランク・ロイド・ライトによって設計され、1924年(大正13年)に竣工しました。

山手の中腹に位置する約1万坪の敷地に、幾何学的なフォルムと水平線を強調したデザインの建物が佇んでいます。室内からは大阪湾を一望でき、自然との調和を重視したライトの思想が随所に表現されています。

急峻な斜面を巧みに活かした石垣や擁壁、四季折々の表情を見せる豊かな緑は、建物の美しさをさらに引き立てています。


ヨドコウ迎賓館(運営人撮影)

なお、ヨドコウ迎賓館は一般公開されています。
ただし、公開日は水曜・土曜・日曜日および祝日のみなのでご注意を。

[文化的価値の高さが評価]

2023年1月から9月にかけて実施された現地調査により、東側敷地の付属建物や施設が主屋と一体として設計され、このエリアが庭園としての機能を有していたと考えられることが判明し、ヨドコウ迎賓館を評価する上で、主屋だけでなく敷地環境すべてを包含して理解することの重要性が確認され、今回の答申に至りました。


(大谷石が敷き詰められた渡り廊下跡)出典: PR TIMES

今回の敷地全体への重要文化財指定は、ライトの建築理念である「有機的建築」を体現したヨドコウ迎賓館の芸術性と歴史的価値が、改めて評価されたことを意味します。また、建物単体だけでなく、周辺環境も含めて一体的に保存していくことが求められることになり、より多くの人にこの貴重な建築遺産を伝えていくための体制強化にも繋がるでしょう。

[フランク・ロイド・ライトの思想と日本の建築]

ヨドコウ迎賓館は、フランク・ロイド・ライトの思想が日本建築に与えた影響を考える上でも重要な存在です。彼の有機的な空間構成や自然素材の活用といった手法は、戦後の日本の建築にも大きな影響を与えました。


ヨドコウ迎賓館(運営人撮影)


出典: PR TIMES

[フランク・ロイド・ライトとは]

フランク・ロイド・ライトは、アメリカ出身の建築家であり、20世紀を代表する建築家の一人です。 Prairie Styleと呼ばれる独自の建築様式を確立し、機能性と美しさを兼ね備えた住宅建築で数々の名作を残しました。またライトは“周囲の自然環境と融和し、豊かな人間性を保証する建築”こそが理想であると考え「有機的建築(Organic Architecture)」を提唱したことでも知られています。

[芦屋市立美術博物館では関連企画展も開催中]

芦屋市立美術博物館の歴史資料展示室では現在、企画展『ヨドコウ迎賓館竣工100周年記念事業「令和5年度芦屋市内遺跡発掘調査速報展」』が開催中です。
企画展では、ヨドコウ迎賓館敷地内の現地調査で見つかった出土品や遺構の写真が展示されており、創建時の建物の様子も紹介しています。

期間は、2024年4月13日 ~2024年8月25日とのこと。


出土品など(運営人撮影)

以上です。

あらためてまとめてみると敷地内には放置されていた遺構がまだあったことには驚きました。

また芦屋市立美術博物館の歴史資料展示室での企画展では、現地調査で見つかった出土品の現物や遺構の写真もあったので、おすすめです。

あと余談ですが、ヨドコウ迎賓館では館内で季節イベントもやっていたと思うのですが、archiclue.で最近取り上げた、ホテル雅叙園東京の百段階段の妖艶な雰囲気とどこか似ているものがあるような気がして、そういう意味では、展示方法なども参考にしてみるのもありかもと、余計なお世話ですがふと。
百段階段の無名性に対してのヨドコウ迎賓館の作家性が前面にでている違いはありますけど。

話がそれましたけど、ヨドコウ迎賓館の今後が楽しみですね。

地図

関連リンク

→ ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)の敷地全体が重要文化財指定へ _ 株式会社淀川製鋼所のプレスリリース(PR TIMES)
→ ヨドコウ迎賓館
→ フランク・ロイド・ライトの旧山邑邸 /兵庫県芦屋市 – 東京坂道さんぽ   
→ 国指定重要文化財 ヨドコウ迎賓館の保存および活用が「This is MECENAT 2023」に認定 _ 株式会社淀川製鋼所のプレスリリース(PR TIMES)
→ 芦屋市立美術博物館 創立100周年記念 信濃橋洋画研究所 ―大阪にひとつ美術の花が咲く―」

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