今回は、私たちが住み、働く、東京「大井町」の風景を劇的に変えようとしている一大プロジェクトについて、じっくりとお話ししたいと思います。
JR東日本が主導する大規模再開発「OIMACHI TRACKS(大井町トラックス)」。2026年3月のまちびらきに向けて、今まさに街の輪郭が書き換えられています。単なる「新しいビルが建つ」というレベルを超えた、この街の100年先を見据えた変化について、現地のリアルな状況を交えながら深掘りしていきましょう。
1. 品川区役所から目撃する「動的な街の履歴書」
最近、品川区役所の庁舎を訪れた際、再開発現場も確認したのですが、そこには、かつての風景からは想像もつかないような、ダイナミックな「新旧の対比」が広がっていました。

立ち上がる「垂直」の象徴:オフィス棟
まず目に飛び込んでくるのは、天高くそびえ立つ「ビジネスタワー(オフィス棟)」の建物です。かつてここには、スポーツ施設「スポル品川大井町」や劇団四季のシアターがあり、人々に親しまれた低層のレジャー空間が広がっていました。
しかし今、高層のビルが着々とできていました。このビジネスタワーは、単なるビルではなく、大井町を「広域品川圏」の重要なビジネス拠点へと押し上げるシンボルとしての重みを感じさせます。
未来を待つ「水平」の空間:新庁舎予定の更地
一方で、その手前側(区役所寄り。写真でいえば手前側。)に目を向けると、対照的な光景が広がっています。
将来、品川区の新庁舎が建設されるエリアは、建物が解体され、現在はほぼ「更地」となっていました。
この「垂直に伸びる最新オフィス」と「水平に広がる静かな更地」のコントラストこそ、今しか見ることのできない、街が生まれ変わる瞬間の記録とも言えそうです。
2. 名称に込められた「TRACKS」という哲学
このプロジェクト名「OIMACHI TRACKS」には、非常に深い意味が込められています。
- 線路(Tracks): かつての鉄道工場・車両基地としての歴史を継承すること。
- 足跡(Tracks): ここに集まる人々が、それぞれの人生を歩み、積み重ねていくこと。
- 楽曲(Tracks): 多様な個性が交じり合い、新しい時代のメロディを奏でること。
大井町という街が持っている「鉄道と共に歩んできた歴史」を否定するのではなく、それを土台にして新しい文化を積み上げていこうとする、JR東日本のリスペクトと決意が伝わってきます。
3. 街の機能を解剖する:A-1地区とA-2地区の役割
「OIMACHI TRACKS」は、大きく2つのエリアに分かれて、異なる役割を担います。
A-1地区:国際ビジネスと高質な暮らしの融合
品川区新庁舎の東隣のオフィス棟とホテル・住宅棟の高層ビルが並ぶ場所です。
- 城南エリア最大級のオフィス: ワンフロア約1,500坪という圧倒的な広さを実現。柱をなくした開放的な設計は、これからの時代の多様な働き方に対応します。
- ホテルメトロポリタンと高級レジデンス: 26階建てのタワーには、国内外のゲストを迎えるホテルと、上質な賃貸住宅が入ります。職住が隣接し、移動のストレスから解放される暮らしがここにはあります。
- シネコンと80の商業店舗: 品川区に待望の映画館が復活します。仕事帰りの映画や、週末のショッピング。生活に必要な機能がすべて駅前に集結します。
A-2地区:賑わいと憩いのエンターテインメント拠点
品川区新庁舎に隣接したエリアです。
- TRACKS PARK(約4,600㎡の広場): 密集した駅前にこれほど広大な「空」を感じられる場所ができるのは、まさに革命的です。区役所から見下ろすと、この広場が街の風通しを良くし、人々の心を解きほぐす場所になることが予見できます。
4. 「行政・ビジネス・居住」がシームレスに繋がる未来
この再開発の真骨頂は、ハード面だけでなく「動線」の設計にあります。
今、更地となっている新庁舎予定地と、すでに立ち上がっているオフィス棟、そして大井町駅。これらは将来的に、重層的な「歩行者デッキ」で結ばれます。これまでは鉄道の線路や複雑な段差によって、物理的にも心理的にも分断されていたエリアが、フラットで安全な空中廊下によって一つに溶け合います。
品川区役所という「行政」の拠点と、OIMACHI TRACKSという「民間」の活力がダイレクトに繋がることで、これまでにない利便性とシナジーが生まれるはずです。
5. 街を守る、地球を守る。次世代のインフラ
このプロジェクトは「防災」と「環境」においても、極めて高い基準を持っています。
- 地域防災の砦: 災害時には約3,000人の帰宅困難者を受け入れる体制を整えています。新庁舎が更地から立ち上がり、このエリアが完成したとき、大井町は品川区全体の「安心の司令塔」となります。
- 脱炭素への挑戦: 東京ガスとの連携により、環境配慮型のエネルギーシステムを導入。都市生活を送りながら、持続可能な社会に貢献できる仕組みが組み込まれています。
6. おわりに:私たちが目撃しているのは「100年の転換点」
そびえ立つ高層ビルと広大な更地。 この景色は、大井町がこれまでの「ただの便利な駅」という評価を超え、世界に開かれた「国際都市・東京の一翼」へと脱皮しようとしている確かな証拠です。
2026年3月のまちびらきは、決して一つのゴールではなく、この街の新しい歴史が動き出す「始まり」の号砲に過ぎません。これから新庁舎が建ち、広場に豊かな緑が植えられ、映画館に新しい灯りがともる。その一つ一つのステップが、ここに集う人々の暮らしをより心豊かで質の高いものへと昇華させていく。そんなエキサイティングな未来への過程を見守り続けていきたいと思います。
関連リンク(外部リンク)
大井町駅周辺広町地区開発(仮称)のまちづくり~都市生活共創拠点「OIMACHI TRACKS」の形成と心豊かで質の高いくらしの実現~ _ 東日本旅客鉄道株式会社のプレスリリース
archiclue.の関連リンク

地図
OIMACHI TRACKS




コメント