建築家の谷尻誠氏が自身の住まいとして設計した「House T」は、私たちが抱く「住宅」の既成概念を心地よく裏切ってくれます。本住宅は、地下1階、地上3階建ての構成でありながら、その内部空間には常に「外」の気配が漂っています。
動画の中で谷尻氏は、幼少期を過ごした町屋の、暗がりの中に光が差し込む庭の記憶について触れています。その原体験は、現代の住宅において「中と外が混ざり合った状態」として具現化されました。特徴的なのは、RC造の重厚なフレームと、剥き出しの自然、そして緻密に計算された「目に見えない心地よさ」の共存です。例えば、水循環による放射冷暖房システムの採用など、空気感そのものを設計の対象としている点は、技術と感性の高度な融合を感じさせます。
単なる機能的な箱ではなく、あえて不完全な部分を残すことで、住み手がその場を選択し、使いこなしていく。そんな「実験的」ともいえる自邸の試みは、これからの都市居住における一つの指針となるはずです。
新建築住宅特集2020年12月号|House T|谷尻誠+濱谷明博/SUPPOSE DESIGN OFFICE(youtube/新建築社)
自身の生き方と建築が分かちがたく結びついた「House T」。映像を通じて、その静謐ながらも力強い空間のプロポーションを感じ取ってみてください。
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